フィンのアスペクト比

フィンのことを考えていたのだが、そのついでにアスペクト比のことを思い出した。

アスペクト比というのは一般に縦横比のことをいう。

流体力学では基礎的な事だが、翼の場合、縦横比の内、横が長い方が翼の揚力が大きい。奥行というか縦方向は(翼の厚みじゃないよ)短くても構わないのだ。

翼に発生する揚力は、翼幅を直径とする円柱×移動距離で求められる。実際はもう少し難しい式があるけれど、基本はこれだ。

だから人力飛行機やグライダーは細長ーい翼を持っているし、逆にジェット戦闘機は小さな三角だったりする。

人力飛行機は小さな力で大きな揚力を得たい。

逆にジェット戦闘機はパワーがあるから翼で得られる揚力は小さくてもいい。その代わり小回りや急旋回時の強度を重視している。

あと、翼の場合は翼から空気の流れが剥がれることによって生じる「失速」がある。

見たことがある人ならわかると思うけれど、よく鳥人間コンテストで機体がかなり上を向いた後、急降下して水面に落っこちるあれだ。

おそらく一般論として、揚力の大きい翼というのは急激な姿勢変化や流れの方向の変化に対する適応力が高くない。まぁ、もともとそういう翼を持った機体というのはパワーソースが非力なこともあってリカバリー能力もないから、総合的に無理が効かない=無理をさせない設計になっていると思う。

翼というのはそのようにして様々な要因で選ばれるものなので、一長一短であって、最良の選択肢は存在するが、最高の翼というのはない。

で、サーフィンのフィンだけど、僕は過去に何度も自作のフィンを作ってきた。それは自分のサーフィンの質を高めたいという気持ちがあったからだ。

僕が作ったのは基本的にトライフィンのセンターに使うものばかりだったけれど、結構いろんなことがわかった。

その中で最も重要だと思ったのはフィンの高さ。

上で書いた翼幅に相当する部分だ。表面積やレイクの強さ、ベースの広さ等よりもフィンの高さは劇的に違いを生む。

ちょっと背が高ければグリップするし、色気を出して背が低すぎるフィンを作ると付いてる意味がないくらいのものになる。

今、ボンザー3Dについてるフィンは6.5inchだ。それがいいのかどうなのかはもうちょっと乗ってみないとわからん。

それにしても合理的なものは美しい。


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