ボンザーのメカニズム
低気圧の通過のタイミングが悪く、今週末はサーフィンができなかった。
ムリすればできたかもしれないが、強風下でのサーフィンは好きじゃない。
思うように乗れないし、思わぬ怪我につながる。下手するとボードをクラッシュさせる。自分で修理派の自分としては仕事が増えるのは極力避けたい。
着替えも寒い。車が汚れる。
できるポイントは限られるし、そういうポイントはだいたい混んでいる。
良い事よりも悪い事の方が圧倒的に多いのだ。
ということで、今日も妄想を楽しむ(笑)。
それでいつものように、ボンザーのフィンセッティングについて考えたい。
僕が見てきた限りでは、ほぼ例外なく、ボンザーのボードはセンターフィンがシングルボックスタイプであると思う。だいたいこのボックスは全長が20㎝くらいあって、6.5inchのフィンはベースが約15㎝程度なので、簡単に引き算すると5㎝は調整代があることになる。下の写真を見てもらえば、フィンの前後にかなり余裕があることがわかるでしょう?
ところが、である。
こんなに余裕があるにもかかわらず、キャンベルブラザースの指定する調整範囲はフィンの後端がボードのテールから14~14.6㎜と、たったの6㎜の範囲でセッティングを出すことになっている。
まぁ、そんなことは無視して自分であれこれやってみるのも自由だが、僕としては賛成しない。
なんでかっていうと、そもそも世界的メーカーが、ライダーやら,なんやら,
いろいろ使ってデータ集めした結果「それが良い!」と出している数値を、こんな極東アジアに住むおっさんが無視しても時間の無駄でしかないと思うからだ。
そこには根拠も多少あって、アンドレイ二の5フィンボンザーを買った当初、僕はボンザーのフィンセッティングの基本を知らなかった。だからシングルと同じ感覚で「前に出せば回転性アップ、後ろにやれば安定性アップかな」と思っていた。
でも、正直なところフィンを動かしても回転性や安定性は得られないばかりか、ぼんやりとした乗り味で、これはこういうボードなのかな?と思う日が続いたのだ。
その後、正しいフィンの位置があるってことを知って、その位置にしてみると(そこはボックスのかなり後方だった)今までとは全然違うクリアーな乗りものになった。
そういうことで基本は守るのが一番。
そういう訳でボンザーのフィンセッティングはシビアだという印象を持っている。
それで、そもそもなぜフィンがその位置じゃないとダメなのか?個人的に考えてみた。
まず写真を見てほしい。簡単に書いた矢印がボトムを流れる水流だ。この水流がだいたいどれ程の角度でボードを横切るものなのか、それはちょっとわからない。
波を真っ直ぐ降りていくだけなら、ストリンガーに平行に近いだろうし、深いボトムターンに入った瞬間なんかはだいぶ斜めから入って来る感じかな?
だから写真の矢印はターン中ということだ。そう思ってみてみると、いくつか気付くことがある。
この場合、サイドフィンは水流を受け止めることでスピードに変えているわけだが、もしセンターフィンがもっと前にあると、サイドフィンに到達するはずの水流を若干邪魔することになる。まあ、角度的にそんなことはなかったとしても、サイドフィンとセンターフィンの距離が、近くなることによって流路が狭くなる。
流路が狭くなるとどうなるかっていうと、条件によっては「そこを流れる流速が速くなる」という状況を生む。よくメーカーが言ってるアレだ。
ただ、僕個人としてはこれにはやや懐疑的で、サーフィンの状況下では流速は速くならずに、糞詰まり的に失速するだけなんじゃないかと思う。つまり単に抵抗になるだけ。そういうことだ。
もしそうじゃなかったとしても。流路が狭められた流れはサイドフィンを乗り越えて越水状態になるだろう。そうなればサイドフィンの役目は小さくなるし、それは理想的状況ではない。
さらにその状況ではボードをリフトさせる力が働くので、フィンが抜けやすくなる。そうなるとバランスをとるために深いターンが出来なくて、ボードは軽いがコントロールが難しいという状態になる。
だから、サイドフィンとセンターフィンはある程度の余裕を持った、解放された状態を保つ必要があるのではないかと思う。
逆にフィンが後ろすぎる場合には、センターフィンとサイドフィンの間にできた空間から水流が抜けて、サイドフィンの仕事が十分でなくなるのではないかと思う。サイドフィンに特化して書いているが、斜めに横切る水流はセンターフィンにも影響を与えているわけで、サイドとセンターが途切れることなく影響し合うことで100パーセントの能力を発揮するのじゃないかと推察する。フィンの間に水流の抜ける隙間があったとしてもフィンの面積は変わらない訳だけど、流体との間に生じる力っていうのは、前に書いたように2乗に比例するって可能性があるから、仮に各フィンの面積を2とすると、隙間ありの場合は2×2+2×2=⑧。隙間なしで一体としてとらえられる場合は4×4=⑯となる。
よって隙間が無い方が受けられる力は倍になるという事になる。
何言ってんだか意味わかんない。
という人も多いと思うが、分かってくれる人もいるでしょう。そう期待する。
とにかくこれは憶測というか仮定に過ぎないのだけれど、ボンザーに乗ったことのある人には分かる感覚じゃないかな?と思うのだ。
つづく かもしれない